慰謝料を請求するには
大切な配偶者(夫もしくは妻)が不倫をしていた!
このような場合、慰謝料を請求するためのポイントは3つ考えられます。
それは、
●証拠を抑える
●相手方を特定する
●弁護士に依頼する
です。
それでは、以下くわしく解説していきます。
【ステップ1】不倫の証拠を抑える
よくわからないけど、夫が不倫しているかもしれない、様子がおかしいと感じてもすぐに慰謝料請求ができるわけではありません。
何の証拠もないのに、「お前が不倫相手だろ!」などと配偶者の知人に片っ端から慰謝料請求をしても、そんなの認められるわけがありません。
むしろ、周囲からなんだこのおかしい人は、と思われてしまうでしょう。不倫をしているのではないかと思ったら証拠を集めることが重要です。
一昔前ならメールですが、現代ではLINEの履歴が一番証拠が残っていそうでしょうか。
LINE等の履歴を見せてもらってあやしい女性関係・男性関係がないかを見せてもらうと良いでしょう。
勝手に携帯電話(スマホ)のロックを外してみてしまうと、それ自体がトラブルになってしまいますので、不倫をしていないか問い詰め、「私はあなたが不倫をしていないか不安で仕方ない、不倫をしていないのなら安心させるために見せてほしい」等と言って、見せてもらうと良いでしょう。
見せてもらったLINEの履歴に不倫の証拠が残っていたら、直撮りで構いませんので、自身のスマホ等で写真撮影をして証拠を残しておくと良いでしょう。LINEのトーク履歴等が見せてもらえなかったから不倫をしている可能性が高まった、もしくは、見せてもらえたがやはり不倫の疑いがまだ残る、となったら次のような方法も考えられます。
たとえば、クレジットカードの利用履歴を見せてもらうことです。
そこで、明らかに不自然な(出張等では説明がつかない)ホテル利用があれば、その点を追求すべきです。
偶然、ラブホテルのレシートなどを発見できればそれもまた強力な証拠になります。このほか、探偵に依頼する、という方法もあります。
ただ、探偵に依頼するとそれなりの費用がかかります。
数十万円くらいはかかるということ、探偵を雇ったからといって証拠を抑えられるとは限らないことに注意が必要です。このように、不倫の証拠はさまざまなものが考えられますが、不倫の証拠で一番強力なのは
『本人の証言(自白)』です。
他に何らの証拠が見つからなくても、本人が「私は〇〇さんと不倫をしていました」と自白さえすればそれが極めて強力な証拠となります。
自白は証拠の女王とまで呼ばれるくらいに強力な証拠です。
LINEの履歴やクレジットカードの履歴などはあくまでもこの自白を引き出すためのものと考えても良いでしょう。ちなみに、慰謝料請求をする際には、あくまでも浮気相手と肉体関係を持っていたか否かが重要です。
浮気かどうかのラインは人それぞれです。
他の異性と仕事以外で話をしたらそれだけで浮気だ、と考える人もいるでしょうが、それだけでは慰謝料請求まではできません。
浮気相手と肉体関係があったか否かということこそが重要ですので、本人が自白をした場合や、それ以外の証拠を集める場合も、その点に着目して証拠を集めると良いでしょう。
【ステップ2】相手方(浮気相手)を特定する
夫もしくは妻が浮気をしているのは間違いない! 証拠も抑えた!
上出来です。
ただ、これに満足してはいけません。
浮気相手に対して慰謝料請求をするためには、浮気相手がどこの誰か特定しなくてはなりません。
どこの誰だかわからないが夫が不倫しているのは間違いないから慰謝料請求をしてほしいといわれてもどうにもなりません。不倫の証拠をつきつけ、夫もしくは妻が不倫の事実を認めたら、どこの誰が相手なのか、その人の住所、氏名、連絡先まで自白してもらうことが重要です。
夫もしくは妻が不倫相手の詳細を白状しない、もしくは、名前は知っているものの住所はわからないという場合にはどうすれば良いでしょうか。
次の弁護士に依頼するという方法にもつながりますが、電話番号がわかるか否かというのはかなり重要です。
携帯電話の番号さえわかれば、ドコモやAUのようなキャリアに対して弁護士会照会というものをかけることによって、契約者情報を開示してくれるのが一般的です。
(ちなみにソフトバンクは以前、一律で弁護士会照会を拒否していましたが、最近は開示するケースもあるようです)
近年では、LINEのIDしかわからないというケースもあるでしょうから、その場合には、LINE株式会社に対して弁護士会照会をかけて登録してある電話番号を開示してもらい、その電話番号をもとに携帯電話会社に対して弁護士会照会をかけることが考えられます。
【ステップ3】弁護士に依頼する
証拠を抑え、相手方を特定したら(相手方が特定できないものの電話番号等がわかれば弁護士会照会で調べることができる可能性があります。完全に特定はできていない段階でご依頼いただくことももちろん可能です)、いよいよ慰謝料の請求です。
不倫相手に対して、怒り心頭の状態になられている方もいます。
不倫相手の職場に怒鳴り込んでやりたい、職場の人間に対してこいつは不倫女(もしくは不倫男)だと暴露してやりたいという誘惑にかられる方もいるでしょう。
しかしながら、それは不倫相手に対して強力な武器を与えることになります。
職場に怒鳴り込むというのは威力業務妨害罪を構成する可能性がありますし、不倫の事実を言いふらすのは名誉棄損罪になる可能性があります。
こういったことをやれば、確かに不倫相手に対して大きなダメージを与えることになるかもしれませんが、自分もそれ以上の制裁を受ける可能性があります。
しかも、こういった犯罪になりうる行為をすれば、不倫相手から「これ以上不倫のことで何か言うようであれば、こちらも告訴や損害賠償請求をする」と言われる可能性があります。不倫の被害者は、あくまでも被害者であるべきです。
加害者になっても何も得はありません。そのため、ストレートに、不倫の慰謝料請求をするべきです。
ただ、不倫相手に対して慰謝料を請求しても、どれだけの人が慰謝料の獲得に至れるでしょうか。
お金の話をしたとたんにこちらからの連絡を無視するようになったり、お金がないから払えないと言ってみたり、とにかく抵抗を試みられるケースが多いのではないでしょうか。
抵抗を試みる相手も賢しいものです。
弁護士に依頼してないってことはまだ本気じゃないな、と考えている可能性があります。だからこそ、不倫の慰謝料請求は弁護士にご依頼ください。
もちろん、弁護士に依頼したからといって、慰謝料を確実にとれるというものではありません。
ただ、弁護士に依頼することによって、こちらの本気度を相手に示すことができます。
意地でも慰謝料をとってやるんだ、弁護士にお金を払ってでも慰謝料をとってやるんだという決意を示すことができるでしょう。不倫相手は様々なタイプの人がいますが、普通の社会生活を送っている人のほうが多いです。
普通の社会生活を送っている人にとって弁護士(というより法律)は怖い存在です。
法律で定められた義務(慰謝料の支払義務)を果たさなければ、強制執行を受けます。
預金を差し押さえられたり、給与を差し押さえられたり、動産執行といって裁判所の執行官が突然家にあがりこんできて差し押さえられる財産を差し押さえていくというものもあります。「まだ弁護士が入ってないから大丈夫だ」と安心しきっているような相手に対し、こちらの本気度を見せるためにも、不倫の慰謝料請求は弁護士に依頼されることをおすすめします。
アウル東京法律事務所では、不倫の慰謝料請求については着手金無料の成功報酬制を採用しておりますので安心してご依頼ください。
※実費がかかる点と訴訟等の場合には日当が生じるのでその点はご容赦ください。くわしくは弁護士費用のページをご覧ください。